『まだ見ぬ安心』を探り出す

2017.7.29 その他

機械警備の代名詞、セコム。
中山氏は、風通しの良くなった社内で新しい警備の形を作る。

プロフィール

中山泰男

セコム株式会社 代表取締役社長

1952年生まれ。
1976年 東京大学法学部卒 日本銀行入行
2007年 セコムに顧問として入社、常務取締役に就任。
2010年 同総務本部長。
2016年 社長就任

機械警備の代名詞

セコムと言えば、機械警備の代名詞だ。
セコムの警備システムを導入したりすることを「セコムする」などということもあるほど、それは社会に浸透している。

警備サービス業においては、業界第2位の7倍の規模を誇り、名実ともに日本の警備のナンバーワンの会社と言える。
2016年から、そのセコムの代表となったのは日銀出身の中山氏である。

縁があって

現在代表を務める中山氏がセコムに入社したのは、人的なつながりがあったからこそだった。
セコムの創業者の飯田氏と、当時、日銀の総裁だった三重野氏は友人だったのだ。
中山氏は、三重野氏の一の子分を辞任するほどの間柄だ。

2013年から2015年までの間、中山氏は日銀の名古屋支店長として活躍していた。
そこで企業側の人間と話をするうちに、日本経済の主役は民間企業だと思いなおし、機会があれば、そちら側で働きたいと三重野氏に相談していたという。

その話が飯田氏に伝わり、セコムへの入社が決まったという。
しかし、当時の中山氏は社長になるつもりは一切なかったという。
経営陣として、責任のある仕事を担いたいと願ってはいたものの、そこまでは考えていなかったそうだ。

手ごたえ

社長に就任してからは、手ごたえを感じていると話す中山氏。
2017年の段階でもそれは業績に表れている。
現在力を入れようと考えているのは、三つ。

一つ目は従業員満足だ。
全員経営で持続成長を目指す。

二つ目は経営者が方向性を示すこと。
そのため、2030年までのビジョンを策定したという。

三つめは顧客の潜在ニーズを先読みすること。
『まだ見ぬ安心』を探り出して、手を打っていくことが必要だという。

新しい警備の形

2020年の東京オリンピックもセコムの一つの商機となる。
それに加えて、近年では新しい警備の形を模索している。
セコムは立体セキュリティーの導入を始めている。

私たちは立体セキュリティーを標榜しています。3次元の地図データを使い、警備員が身に着けるウエアラブルカメラ、気球や飛行船に取り付けた固定カメラなどで多様な映像を監視する仕組みです。

画像認識の技術でちょっと不審なものがあればチェックして安全を確保する。これは大規模イベントに有効で既に東京マラソンなどで実績があります。

さらに、ドローンによる警備も手掛けていますが、5Gによって通信機能が高まればドローンが活躍できる場が増えていきます。

新しい警備の技術が進歩するにしたがって、「セコム」という言葉の定義はますます広くなっていくことが予想される。

参考:

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B3%E3%83%A0
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/230078/101800107/?P=1
https://www.secom.co.jp/