聖域なき物流改革
2019.7.26 サービス
自社の物流コストは、極限まで削減されていると考えている経営者は多い。
しかし、ロジ・ソリューション株式会社の藤田氏は、まだまだ物流コストは下げられるという。
プロフィール
藤田 浩二
1959年 京都府生
1983年 日本大学理工学部卒 センコー株式会社入社
2008年 分社化されたロジ・ソリューション株式会社出向
2014年 代表取締役社長就任
物流に改善の余地あり
物流にはまだまだ改善の余地があるらしい。
多くの経営者は、生産コストと同様に、物流コストの削減にも熱心だが、まだまだ見直すべき点はいくらでもあるという。
それは反省すべき点であると同時に、喜ぶべき点でもあるはずだ。
物流のコストはこれからどんどん上がっていくが、改善することでそれを緩和することもできる。
近年、日本が抱えるもっとも大きな問題の少子高齢化。
その影響もあって、人手不足で悲鳴を上げる企業も多い。
当然、物流事業者数も減っており、トラックの保有台数も減少傾向だと言われている。
物流事業者数が減っている、トラックの保有台数も減っている。
ドライバーの不足、高齢化、それにともなう賃金の上昇。
あらゆる産業にとって、物流は戦略の要になる。
いかに物流コストを下げるかは多くの企業の課題となっているのだ。
では、どのように物流コストを見直せばいいのか。
その回答を提示するのが、ロジ・ソリューション株式会社の藤田氏だ。
聖域をとりはらう
物流には目に見えていないコストがあると藤田氏は語る。
製造工程間の物流や仕掛品の仮置き・横持ちなどは物流行為そのものですが、会計上は製造原価に含まれている。また、原材料の輸送費は購買原価に含まれていますが、これもまぎれもない物流行為。いずれも、物流コスト削減の対象になっていません。
他の費用にまぎれてしまっているが、これらのコストを見直すためには聖域を取り払う必要があるという。
部署の垣根を超えて、自社の物流を見直すことが真の物流コストの改革につながる。
しかし、自社の人間だけでそれを行うのは難しい。
日常の業務が、「あたりまえ」になってしまって、疑うことができなくなっているケースも多い。
藤田氏は、まず第三者の専門家の目を通して、物流全体でどのような改善点があるかを洗い出すことをすすめる。
当然、その専門家はサプライチェーンに熟知している必要があり、さらに絵にかいた餅にならないために、実現可能な改善を提案する能力が必要になると話す。
物流からの経営改革
このように物流コストの削減には部署の垣根を超えた権限が必要になる。
そして、それを行えるのは経営者からのトップダウンの改革が必要になるのだと、藤田氏は言う。
製造後の製品をユーザーに配送するだけが物流ではありません。サプライチェーンすべてが物流です。したがって、物流コストを見直すということは、部署の垣根を越えた経営改革にほかならず、経営者による経営判断があってはじめて実現可能となります。
20%の物流コスト削減を実現した例もあるという。