「お菓子を、進化させる。」

2017.4.29 小売・卸

前社長の感性が急成長させた株式会社BAKEだが、規模を今の10倍にするならば、化学的な視点とシステム化が必要であると現社長の西尾氏はいう。

プロフィール

西尾 修平

株式会社BAKE 代表取締役兼グループCEO

2003年 株式会社リクルート(現:株式会社リクルートホールディングス)
2010年 株式会社ジェイ・ウィル・アドバンス入社
2013年 株式会社ミクシィに参画
2014年 取締役経営企画本部長
2016年 株式会社BAKEに常務取締役として入社
2017年 取締役副社長に就任、現在に至る

1ブランド1商品のスイーツ専門店

顧客の嗜好は多様であるために、本来なら一つの店舗で何種類もの商品を販売したいというのが本音であるはずだ。
それが常道だし、多くの洋菓子店でもその形態をとっている。

しかし、1ブランド1商品という型破りなビジネスモデルで急成長したスイーツの専門店がある。
それが株式会社BAKEだ。

チーズタルト・シュークリームなどをはじめとして、土産物菓子を店舗で生産。
商品を限定して、素材や製法にこだわって作ることで、出来立ての菓子を提供してきたことが成長の理由だ。
そのBAKEを更なる成長を見込んで、新社長となったのが西尾氏だ。

サービスをより多くの人に届けるために

今回、前社長の長沼氏から、西尾氏への社長交代があったのはBAKEの商品をさらに多くの人に届けることが目的だ。
長沼氏は、0から1を作りだすことが得意だったが、急成長する会社のマネジメントの重要性を痛感し、西尾氏にグループ全体のCEOを任せることを決断したという。

その西尾氏は、以前は投資ファンドで再生案件に従事し、上場企業でも経営企画を行っていた。長沼氏に請われる形で、2016年に入社し、常務取締役、副社長として会社の舵をとっていた。

ただし、問題もいくつか残っている。
もともと、長沼氏は北海道の製菓メーカーの「きのとや」の経営者一族だ。また、その大株主で役員でもある。「きのとや」はBAKEの重要な取引先の一つだった。
この関係上、現在の状態では長沼氏がきのとやに対して有利な状況を作ることができるため、上場は困難であろうと専門家に言われていた。

しかし、長沼氏は商品をもっと多くの人に届けたいという思いをすてきれなかった。
そこで、新しい筆頭株主を迎え、西尾氏へと社長を交代した。

 

お菓子を進化させるために

前社長の長沼氏と、これからも2人3脚で進んでいくという西尾氏。
自社の空気やブランドは変えていくつもりはないという。

「新社長に就任しても、自社で培ってきた空気感やブランド戦略は、変えていくつもりはありません。商品やブランド一つ一つにストーリーが存在し、それを洗練させていく事でBAKEのファンを獲得することができました。このプロセスを大切にしながら、世界的な展開を視野に事業展開を加速させていきたいと考えています。」

長沼氏が天才的な感覚と嗅覚で成長させたBAKEに科学的・論理的な視点を組み込んで事業をより大きくしていくことが自分の使命だと語る西尾氏。

これからも長沼氏と一緒に新ブランドを立ち上げていき、その過程で既存のブランドも新ブランドも、より多くの人に知ってもらうように努力していきたいと話す。

そのための海外展開も視野にいれており、東南アジアや中東、欧米を中心に交渉を進めていると話す。

 

参考:

http://www.bake-jp.com/
https://brandtimes.jp/companies-post/bake/
http://toyokeizai.net/articles/-/170342?page=2