「トランスフォーム」

2017.2.28 その他

個人の趣味が多様化する現代にあって、インターネットの情報をうまく活用しながら、様々な取り組みを行う上口氏。

プロフィール

上口宏

株式会社文化放送 代表取締役

1975年 明治大学卒 文化放送入社
2016年 代表取締役専務放送事業局長
2017年 代表取締役就任

関東広域のリスナー目線で番組を送り続けるラジオ局

テレビ、新聞、雑誌と並んで4大マスメディアの一つと言われるラジオだが、インターネットの登場によって、やはりそのあり方を問われている状況でもある。
その時代の流れや、個人の趣向の多様性を考慮しながら、番組を制作してリスナーに届けているのが株式会社文化放送であり、その代表の上口氏である。

個人が気軽に情報を発信できるようになった現代、嘘の情報、いわゆるフェイクニュースなども増えてきた。
情報の信頼性が揺らいでいる状況で、安心して聴ける番組を届けていきたいと語る。

専務と社長の違い

上口氏は社長に就任する前も、代表権をもった専務であった。
企業における代表権とは、取締役会の代表であり、意思決定と経営執行の責任者である。
事実、今までも文化放送は上口氏が経営していたと言っても過言ではない。
しかし、やはり専務と社長とは感覚が違うと上口氏は言う。

まず上口氏は社員一人一人と向き合うことを大切にした。
働きを上はきちんとみてくれているのかどうか、不安だった頃の気持ちを思い出して、自分のほうから社員に声をかける。

そうして、自分の言っていることをすべてとは言えなくても一つでも多く理解してもらい、社内が同じ方向に走っていけるようにしていくことが大切だという。

飛行機に例えて

上口氏は特に経営を飛行機の操縦に例えた話が感慨深いと話す。
飛行機は少し操縦桿を引くだけで上昇気流に乗れるが、下降局面だと操縦桿を引く力が二倍、三倍必要になるという。

上昇気流の時は、少しの投資で大きな効果を得ることができるが、その逆も当然ある。
自分たちの業界でも、時期を見失うことなく、風を読みながら進んでいきたいと語る。

トランスフォーム

アメリカのある大統領が言った「チェンジ」という言葉は有名だろう。
国を変えるという意志のもとで放たれたこの言葉は、簡素ながらも胸に突き刺さる力があった。
上口氏も、時代の流れによってあり方を問われるメディアの一つラジオを変えたいと願っている。

しかし、「チェンジ」ではなく「トランスフォーム」という言葉を使いたいと語る。
トランスフォームとは、既存のものの形を変えることだ。
戦略を現場に実現できる組織改編を行って、長期的な視点で成長を狙っていく。

今の自分の価値尺度が本当に正しいか、自問自答しながらも、大勢のステークホルダーや、様々なニーズに向きあっていく必要があると語る。

参考:

http://www.leader-navi.com/i-masscommunication/interview03/
http://www.joqr.co.jp/annai/messeage.html