「真のリーダー」の育て方

2019.5.23 サービス

 

人材育成、とくにリーダーの育成に悩む経営者は多い。

思うような成果をあげられない経営者たちに力を貸し、結果に導くのがフィールドマネージメント・ヒューマンリソースの小林氏だ。

 

 

小林 傑氏プロフィール

 

1977年 神奈川県生

2000年 慶應義塾大学環境情報学部卒、のち株式会社ジェイティービー、株式会社リンクアンドモチベーション執行役員

2011年 株式会社フィールドマネージメント参画

2015年 株式会社フィールドマネージメント・ヒューマンリソース設立、代表兼任

 

 

「研修」に意味はあるのか?

 

就職経験のある人は、多かれ少なかれ研修を受けたことがあるだろう。

どんな中小企業でも、いきなり実務に放り込まれることはそうそうない。

簡単なレクチャーを受けてから働き始めるところもあれば、半年間にわたりじっくりと研修を受けるところもある。

 

ただ、「研修」というものに対して疑問を抱く人も大勢いる。

 

「研修に意味なんてあるのか?」

 

研修で習ったことが実際の業務で役に立ったかと問われたら首を横に振る人も多い。

業務時間内に受ける研修であれば、まだ良い。

だが、休日を使って受けさせられる研修にはため息をつくことも多い。

人間は価値を見出していないことをするのが、苦痛に感じる生き物でもある。

 

そんな疑問に答えてくれるのが、株式会社フィールドマネージメント・ヒューマンリソース(以下、FMHR)の小林代表だ。

 

 

研修が役に立たない三つの理由

 

彼は既存の研修に効果を見いだせないのは、三つの理由があるからだという。

 

  • 多数の社員に汎用的な研修を受けさせている
  • 研修が実務に直結していない
  • フォローアップが無い

 

職種や業務の違う社員たちを、勤続何年目、と大雑把にくくって研修を受けさせてもあまり意味はないと話す。

また、研修の内容が実務と直結していないのだから、当然、効果は期待できない。

さらに研修を受けたならば、それを継続的に実務に活かす活動をしていかなければ意味はないと言う。

 

これらは至極もっともな話だ。

研修に意味を見いだせない多くの社員が言語化できなかったことを的確に言い表している。

 

個人にあった教育を実際の現場で実践し、PDCAを回すことでようやくモノにすることができると小林氏は語る。

 

 

巨大企業へのプログラム導入

 

小林氏の功績の一つとして語っておきたいのは、JALへの研修プログラムの導入だ。

巨大企業であるJALは2012年に経営破綻を起こしている。

もちろん、そのままでいいわけがない。

JALは大規模な経営改革に着手し、その一環として、FMHRも支援を行っている。

 

企業改革の中で行われる人材育成。

FMHRの小林氏が最初に行ったのは、様々な部門から40名を募って50週間のプロジェクト式教育を実施したことだ。

 

一般的な研修の多くは、講師が大勢を前にして講義を行い、そして最後にちょっとしたアウトプットをチェックして終わる。

2時間~1日レベルで行われることが多いが、FMHRのそれは量も質もけた違いだ。

毎回出される課題を実務と直結させることを念頭に置き、それをFMHRが横で並走しながらチェックした。

 

その後も、のべ2000名のJAL社員に対してプログラムを展開し、社員が自分で走れるように指導を行ったという。

 

マーケティング改革を実行するにあたり、当時、JALが一番大事な条件として掲げていたのが、「自走化」でした。外部の専門家がマーケティング戦略を策定して、「はい、どうぞ」と提供されるだけでは意味がないと。「社内でしっかりと新戦略を回せる組織・人財も同時につくるのでなければいけない」ということを強く感じたと小林氏は話す。

 

スキルや知識を習得すると同時に、社員の意識改革を行うためにはこれだけの力が必要になる。