まじめに働く人が生活できる社会づくりを!ヤフー株式会社宮坂学

2017.2.13 IT・WEB

大学時代食べるのも困っていた彼が部下を持ってみて気を付けていることは?
また、どんな社会を作っていきたいか・・をご紹介します。

宮坂学氏プロフィール

1967年山口県に生まれ、大学卒業後新聞社の内定を辞退しベンチャー起業に就職します。
1997年ヤフー株式会社に転職、2012年代表取締役に就任します。

大学時代のエピソード

宮坂氏は高校を卒業後、京都の大学へ進学するものの両親からは経済的な理由で仕送りしてもらうことができませんでした。
そのため、彼は常にお金がない状態だったそうです。
学生時代の生活費を自分で稼ぐ必要があったため、始めの2年間はアルバイトを最優先する生活だったと言います。

その当時、バブルの真っ最中だったので水商売がもっともお金になったそうで、彼は祇園でバーテンダーのアルバイトをしていたと言います。
すると、彼はバーテンの仕事にすっかりとハマってしまい、大学を辞めてお店を出そうかと真剣に考えることもあったそうです。

ですが、当時アルバイトしていたお店の店長が大学だけは卒業しておいたほうがいいと言われ、彼は退学するのを思いとどまって1年間休学することに決めたのです。
このように、親には内緒で休学したことが結果的に彼にとってとても貴重な体験になったということでした。

その当時の彼は、時間はたっぷりあってもお金が全くなかったため、古本屋さんで毎日のように古本を買っては家で読みあさり漠然とあれこれと考え過ごし、夜になるとバイトをする生活を送っていたそうです。

この休学している間、本を読んでさまざまなことをたった一人で考えていたという貴重な経験こそが経営者になった今、大きな糧になったと言ってもいいでしょう。

部下を持ってから気をつけていること

リーダーの役割は部下のために舞台を作ってあげることだと考えています。
私の作った舞台で部下がそれぞれ好きなように仕事すればいいと思っていますし、それを実行させてあげることこそがリーダーの役わりだと考えています。

今の時代、仕事や仕事以外でも好きなことを選べる時代です。
あまりにも選択肢が多すぎて迷ってしまうこともあるでしょうが、好きなことを選べるということは幸せなことだと言えます。
私たちより上の世代では仕事は食べるためのもの・・という時代でした。
世界的な視点で見れば、選ぶ自由を与えられているゆとりのある人の数は多いとは言えません。
日本にいる限り選ぶことが自由にできます。

 

だからこそ、それが可能な立場にいる人たちは選ぶことが必要なのです。
人から言われたからやる・・というのではなく、自ら選んだからこそやる・・ということですね。
将来のプランが見えないのではなく、自ら探すことが大切なのです。
そうしないのなら、自由に選べない人たちにその権利をあげるくらいの気持ちでいる必要があります。

今後の彼の目標

きちんと真面目に仕事を行っている人がそれにふさわしい生活を送れるような会社や社会にして行きたいと考えています。
最近よくグローバル化の中をいかに勝ち抜くかということを耳にします。

ですが、それを実現できるのは100人のうちのたった数人にすぎません。つまり、ほとんどの人には不可能なことなのです。たとえプログラミングや外国語ができなかったとしても、まじめにコツコツと仕事をしている人や、ものごとを素直に受けとめ吸収するような人がきちんと生活できる・・そんな会社や社会を作って行きたいと考えています。