世の中の全ての社会人から「卒業」を無くしたい

2017.2.26 IT・WEB

社会人から「卒業」を無くしたいと語る森氏は、WEB上で新しい学びの場を提供する。

■プロフィール

森健志郎

株式会社スクー  代表取締役

1986年生まれ。
2009年大学卒業後、リクルートにて広告営業、リクルートメディアコミュニケーションズにて広告制作 のディレクターを務める。
2011年10月に株式会社スクーを設立。

 

卒業と言う概念

学校とはいつかは卒業するものと言うイメージがある。学校だけではなく、ある一定のレベルに達したり、期間が過ぎたりすると自動的に卒業は訪れる。
それは新しい世界の始まりでもあるのだが、同時に今まで自分を向上させていた場所から離れることも意味する。
森氏は、そんな卒業してしまった人たちのためにWEB上で新しい学びの場を提供するサービスを展開している。

これまでの教育系WEBサービスとの違い

これまでもインターネット上での教育サービスと言うものはあった。
インターネットにアクセスし、動画を見ながら授業を受けるタイプのサービスは、いくつかの企業が手掛けている。

これらのサービスは、ネット環境さえあればいつでもどこでも受講することができるため、時間に制限のある社会人などには確かに有用な部分もあった。
インターネットに接続した受講生に対して、WEBでテキストや問題集などを提供したり、また動画などで授業を行うことができた。
ただし、今までの教育系WEBサービスの特徴は、配信側から一方方向で情報が伝達される方式だった。

具体的に言えば、動画で授業を「受ける」ことはできるが「参加」することはできなかった。その場にいないため、講師に指名されて問題の解答をしたり、その場での質問などもできなかった。
森氏が2011年から展開しているスクーは、そういった意味では双方向性を持ったサービスと言える。

疑似同期を使って、授業に参加する

スクーが展開しているサービス「schoo WEB-campus」は、性別・世代・居住地に関係なく受講できるという。
インターネットを介したサービスの長所はここでも活用される。

また、森氏が強調するのは、そこに人がいる、という感覚だという。
先にも述べたが、一般的な動画の授業では受講はできても、参加はできない。
しかし、疑似同期を使うことによって、受講者も授業に参加できるようになるという。
疑似同期を使えば、別の人間が、それぞれ別の時間に授業動画を見ていても同じ時間帯で授業を受けているようにみせることができる。

具体的にはニコニコ動画などの動画サービスのように、動画のある時間帯になるとコメントが流れる仕組みを使う。すると、生徒から感想、疑問、質問などのコメントが授業のあるタイミングで流れる。
たしかにこれは、自分が授業を受けているときに、隣の席の人が講師に質問をするような感覚がある。

心の心電図

もともと、起業の意志はなかったという森氏。
しかし、前職でサービスのアイデアを思いついたときに、周囲の後押しもあって起業を決意したという。
面白いと思ったことに対してすぐに行動を起こせると自分を分析する森氏は、自身が「心の心電図」と呼ぶ直感を信じて進む。

参考:http://bb-relife.jp/interview/education-counseling/332