世界中のありがとうを集めたいワタミ社長渡邉美樹

2017.12.22 小売・卸

ワタミ株式会社会長渡邉美樹氏は起業家に最も大切なことは欲を世の中のために使うことだと考えています。
そんなワタミグループのスローガンは世界中のありがとうを集めること。

渡邉美樹プロフィール

1959年神奈川県に生まれ、1982年に大学卒業後ミロク経理に入社します。
その後、起業資金を佐川急便で働いて貯め、1984年有限会社渡美商事創業。
その後東証一部上場を果たし、学校法人理事長、病院経営などに取り組んでいます。

渡邉氏が考える起業家の条件とは

彼が考える起業家の条件とはどん欲さを持っているかどうかで、成功者はどんな人も非常に欲が深いと考えています。

それを自分のためだけに使うのでなく、世の中のために使うことで成功します。
起業家は会社が成長するにつれ人間性のレベルも上がる必要があると考えており、起業当初は自分のために欲を使っていても少しずつ自分以外に使うようになり、最終的には人のために欲を使う人こそが成功者になりうると考えています。

つまり、企業が繁栄し続けるためにはトップの欲の使い方こそが重要で、それがあってこそ企業が繁栄し続けるのです。

渡邉氏の場合

渡邉氏本人も経営していく中でその大切さに気づきます。
起業当初は自分の欲を満たしたいとばかり考えていました。
子どものころ父が会社経営をしておりそれがうまくいかなくなって、裕福な経済状態から貧しくなってしまった経験があるからでしょう。

そのため、いかに物質的に満たされるかが自分の中で重要になっていったのです。
ただ、学生時代に会社のようなものを運営したことで次第にその考え方も変わっていき、自分の欲のためだけに会社を経営していいものかどうか考えるようになっていったのです。

物質的な欲がなくなった時

ワタミが店頭公開する際に7億円もの借金を個人的にしました。
自分の持ち株比率を下げないよう自社株を買わなければいかなかったからで、その後全ての借金を返しきった時に自分の欲が全くなくなったことに気づいたのです。

つまり、子どもの頃から持ち続けていた物質的欲望から解放され、現在ではワタミを世界一ありがとうを言ってもらえるような会社にするべく努力するようになり、物欲などは一切なくなったそうです。

渡邉氏の成功の秘訣

渡邉氏が成功した理由は成長市場を狙い推し進めた多角化が好調だったことにあると一般的には考えられています。
ですが、実際にはワタミグループのスローガンは上で書いた通り地球上で一番ありがとうを集められるグループになることです。
そのために宅食事業や介護事業を始めたのであって、収益を拡大しようとして始めたわけではありません。

今後の課題は事業継承

そんな渡邉氏ですが、彼はあと数年で事業継承を終えたいと考えています。
資本政策や企業文化を守る部分、役員人事などは創業者として行っていこうと考えていますが、強い意志を持ち続け今よりさらに前進していこうと考えています。