宇宙のごみ掃除

2016.8.6 IT・WEB

かつてNASAのプログラムに参加し、そこで得た感動が、宇宙のごみ掃除をする会社を立ち上げるきっかけになった。

■プロフィール

岡田光信

ASTROSCALE PTE. LTD.  CEO

東京大学農学部卒業。Purdue University MBA修了
大蔵省(現財務省)主計局に勤めたのち、マッキンゼー・アンド・カンパニーにて経営コンサルティングに従事。
IT会社ターボリナックス社を皮切りに、SUGAO PTE. LTD. CEO等、IT業界で10年間活躍する。
NASAで宇宙飛行士訓練の体験をして以来、宇宙産業への思いが強く、現在は宇宙産業でシンガポールを拠点として世界を飛び回っている。

宇宙へのあこがれ

空を見上げれば夜には星が見えるが、その星々が漂う宇宙に出たことがある人は少ないだろう。
SF小説などでみるように、宇宙には未来や科学、未知への期待など様々なロマンがある。
しかし、実際に宇宙に上がることのできる人は少ない。また、そこで何かをする会社を立ち上げようとする人も今はまだ少ないだろう。
しかし、岡田氏はそこに自分の働く場所を選んだ。

もともと、岡田氏はあまり勉強には熱心ではなかったらしい。中学の成績は、進学校だったが中学の成績は後ろから数えたほうが早かった。しかし、NASAの体験プログラムで、日本人宇宙飛行士の毛利衛氏からもらった「宇宙は君たちが活躍するところ」という手書きのメッセージをもらい気持ちが切り替わる。宇宙飛行士になりたいとも、NASAの職員になりたいとも思っていなかったそうだが、頭の中では彼らがなぜかライバルになっていて、負けないように勉強を始めたそうだ。

結果、高校では全国模試で1位を取るまでになり、その後、環境問題への関心もあって、東京大学の農学部へと進んだ。

宇宙のごみ掃除

大学院を中退したのは、環境問題の政策を作る側に回ろうと考えたからだ。
その後、当時の大蔵省に入り、さらに海外留学していた時にMBAをとって、マッキンゼーに入社。3年半ほど、そこで働いたが、独立して今のアストロスケールを立ち上げたという。
もともと、宇宙へのあこがれはあった。

海外でひらかれたデブリの専門会議でも、デブリを除去する会社を設立すると言ったが、周囲から、やはり反対意見が多く出た。
デブリと言うのは、宇宙に漂うごみのこと。
これらの存在は、新しい衛星を打ち上げるときに問題になってくるという。

夢のような現実的な計画

岡田氏が言うには、遠くない未来、一度に数百基、数千基という数の人工衛星を打ち上げる時代がやってくるという。これまでの人口精鋭性はたまに、打ち上げられて、地球の写真を局地的に撮影するものだったが、これからは地球全体を24時間カバーする「メガ・コンステレーション」時代がやってくるそうだ。

しかし、何百もの人工衛星を打ち上げるとやはり問題も出てくる。その中には、一定の割合で故障するものも出てくるはずだが、それを壊れたまま放置しておくことはできない。
代わりの衛星を、壊れた衛星と同じ軌道上に打ち上げる必要がある。そうなると、壊れた衛星を除去する必要が出てくる。
岡田氏はそこに社会のニーズを見出す。

参考:
https://cakes.mu/creators/777
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO17160210R00C17A6000000?channel=DF130920160874