自分流を世界のモデルに

2016.10.6 金融

アドテクを中心にサービスを展開する株式会社フルアウト。その目標は、世界のロールモデルとなるような会社だという。

■プロフィール

金田 和也

株式会社フルアウト 代表取締役

大学を卒業後、ベンチャー企業に入社
ネット広告事業に携わり、2013年に25歳で株式会社フルアウトを設立

アドテク

アドテクとは、Ad Technology、簡単に言えばネット広告における配信技術を指す。
もう少し具体的に説明すれば、広告主の宣伝効果を最大限にしたり、逆に広告枠販売や広告配信を効率化することが主な目的だ。
広告主がいくらお金を積んだところで、それが適切な人の目に触れなければ売り上げは上がらない。広告を掲載するサイト、時間帯、その他様々なことを考慮して、宣伝効果を最大にする努力をする。

それをメインサービスにして事業を展開するのが株式会社フルアウトの金田氏だ。
フルアウトとは「やり抜く」という意味でもあるという。

リーマンショックが起業のきっかけ

もともと金田氏は、野球少年だったという。スポーツ推薦で学校に通い、野球漬けの毎日だったが、2年生の時に歩けなくなるほどのけがを負う。
それまで野球が人生のすべてだったので当然、落ち込んでいたが、ある時、IT会社が野球の球団を買収するというニュースを見て、驚いた。
プロ野球選手になれなくても、球団を買うことはできるのだ。

そう考えた金田氏は、努力の末、経営学部がある大学へ進学。
しかし、大学当時はそれほど熱心な学生ではなかったという。なんとなく、過ごす日々であったが、ここでもやはり転機が訪れる。

それはリーマンショックだった。
この世界を混乱に巻き込んだ波は、金田氏の父親が経営する不動産会社にも及んだ。
学費を払ってやれなくなる、と言われ、大学を中退して働くか、それとも自分で学費を払って大学に通い続けるかの二択を迫られた。

フルアウト

そうして、金田氏は一旦、大学を休学し、学費をためるために働きだした。そこでPDCAを回して、自分を冷静に分析しながら改善をすると一年後には残りの学費を支払う分をためることができた。

大学卒業後、ベンチャー企業に就職するも3年で退職して起業。
会社を経営する過程で、他社の前例を踏襲しつつ堅い経営を行うが、しかし、社員からはあまり歓迎されなかったという。
このやり方では、普通の会社になるイメージしか持てない。
そう社員に突き付けられて、自分たちのやり方でやることに決めた金田氏。
社員と率直にコミュニケーションをとるような風土も築いた。

部下から上司には言いにくいこともあるだろうが、金田氏自身が部下の言葉を一旦は受け止めるようにしたことで、自由な意見が言える環境が整う。
前例にならわず、自分たち自身のモデルを貫いて成功し、いつか世界のロールモデル、自分たちがお手本となるような会社を目指していくという。

参考:
http://v-tsushin.jp/interview/vt67_fullout/

http://v-tsushin.jp/interview/vt60_fullout/