ドライバーが笑顔になれる環境作り

2016.11.6 IT・WEB

かつて、自分もドライバーとして働いた時の苦労を思い出し、従業員満足度を高めることで人手不足の現状を変える。

■プロフィール

山本 秋彦

株式会社サントス 代表取締役社長

証券会社で営業を学んだあと、ベンチャー企業で店舗マーケティングなどに従事
その後、父が創業していた株式会社サントスに入社
2014年に代表取締役に就任し、従業員満足度の向上を目的としたさまざまな社内改革を行う。

インターネットで買っても、運ぶのは人間

会社の売り上げを上げるために、顧客満足をあげるのは当然だ。だが売り上げを上げているのは実際に現場で働いている人たちなので、彼らが働きやすい環境を作ることも大切だ。それは昨今の人手不足の中で働き手を集めたり、退職によって従業員の教育にかけたコストを回収できないリスクを減らすことにもつながる。

近年、インターネット通販が社会に浸透したせいか、運輸業界は人手不足に悩まされている。買い手はマウスボタンをクリックするだけで離れたところにある店の商品が買えるが、それを現実世界で運ぶのは必ず人間になる。忙しくて人が足りないというのは、うれしい悲鳴でもあるが、逆に深刻な悩みとも言えるだろう。
株式会社サントスの山本氏はその状況を改善するために、従業員満足度を高めることで過酷な業務の宅配ドライバーというイメージを払拭しようとしている。

価値の高い仕事をするために

株式会社サントスは創業17年の食品輸送の業者だが成長するために力を入れてきたのは、従業員満足度の向上だという。
社員がモチベーションを高めて、自発的に仕事をするようになれば、仕事そのものの質も向上すると山本氏は語る。

また、このように考えるようになったのは、自身がドライバーの現場業務を経験していることにも起因する。
食品配送は、深夜や早朝の宅配することも多い。
コンビニを例にとれば簡単にわかるだろうが、朝、客がやってくる6時~7時までに店舗に商品を並べるためには、それ以前に配送を終わらせなければならない。

まずは従業員から

このように時間帯でも商品をしっかり配送するというのは価値の高い仕事だが、しかし、それを評価されないのはドライバーのほうにも問題があるかもしれないと山本氏は言う。
身だしなみや、ふるまいに気を付け、笑顔でコミュニケーションをとれれば、それは顧客の信頼へとつながる。

そのためにはまず従業員の満足度を上げることが大切だという。
会社の利益を極力従業員に還元するために、年3回の賞与を行い、その他、様々な制度を作って現場で働く人たちのモチベーションを向上させる。
山本氏は自分の仕事は、従業員が働きやすい環境を整えること、それだけを考えていると答える。

インターネットがどれだけ発展しても、流通の仕事を担う人がいなければ商品が消費者の手元に届くことはない。また、災害時でも物流の果たす役割は大きく、社会のインフラを根底から支えている。
ドライバーには自分の仕事のかっこよさに気付いてほしいと山本氏は語る。

参考:
http://www.nippon-shacho.com/interview/in_suntos/
http://suntos.co.jp/company