「怒らない経営」
2018.1.29 小売・卸怒らなければいけない状況というのは、組織の根幹にかかわる問題がある時だけ。
表層的な問題に対して怒っても意味はないと語る野坂氏
プロフィール
野坂 英吾
株式会社トレジャー・ファクトリー 代表取締役社長
1972 年 神奈川県生まれ
1995 年 日本大学文理学部卒業
1995 年 (有)トレジャー・ファクトリー設立
1999 年 (株)トレジャー・ファクトリーへ組織変更
2007 年 東証マザーズ上場
リサイクルショップの多店舗展開
リサーチのため、全部で48店のリサイクルショップを回りましたが、商品は汚れたままで値札もなく、接客もきちんとしてくれない、という状況のところがほとんど
創業前の思い出を話すのは株式会社トレジャー・ファクトリー代表の野坂氏。
現在、リサイクルショップを多店舗展開している野坂氏は、同業者の課題を一つ一つ解決して、業績を伸ばしている。
商品をきれいにし、値札をつけ、接客サービスを徹底する。
基本を徹底させたうえで、リユースがもっと身近なものになるような店づくりを心掛ける。
父親の背中を追いかけて
経営者になる人の多くは、実家が商売をしているか、経営者一族の人も多い。
野坂氏の場合は、父が優秀な商社マンであり、その背中を見ていたことが大きかった。
最終的には東証一部の上場企業の役員となって父を見て、普通にやったのでは父を超えることはできないと思ったそうだ。
しかし、引っ込み思案だった野坂氏。それでも自分を変えようと委員長やキャプテンなどのリーダー役を引き受ける。
どうせやるなら社会の役に立つことをしたいと考えていた野坂氏は、自分が物を大切にするタイプであることを思い出す。
そして、バザーやフリーマーケットなどで、売られているものもかつては誰かに大切にされていたものであり、まだまだ使えるものだということに気づいた。
1号店のオープン資金は30万円
東京の足立区に1号店を構えた野坂氏。
そのオープン資金は30万円だった。
当時、大学生だったこともあり、銀行も融資をしてくれなかった。
新聞に「空いている倉庫を若手起業家に貸します」という記事を見つけた野坂氏は、1年がかりで交渉を進め、借りることに成功する。
そして、閉店するリサイクルショップから在庫をもらって、1号店のオープンにもっていったという。
リユースを身近にするために
2017年現在、70以上の店舗を運営する株式会社トレジャー・ファクトリー。
しかし、これらの店舗は地域性に合わせて運営しているという。
海の近くではサーフ用品、山の近くではアウトドア用品といった感じで、それぞれの店舗は特色をもっているという。
現在は関東を中心に店舗を広げているが、今後は全国展開をしていこうと考えているという。
多岐にわたる商品の1品ずつにきちんとした適正価格を出してニーズに応える仕組みを作れるノウハウは当社だけのものです
そう語る野坂氏は、リユースショップのイメージを変えて、世界中の国になくてはならないものにしていきたいと話す。
参考:
http://www.treasurefactory.co.jp/index.html
http://www.jpx.co.jp/listing/ir-clips/interview/detail/3093.html